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リアスパマウント破壊試験

5/23に胴体桁-リアスパ間接合部(リアスパマウント)の破壊試験を行い、リアスパマウントに必要な最低限の強度の確認を行いました。

使用したパーツは事故で破損したものとほぼ同じ構造の物の接着部をCFクロスで更に補強の施されたもので、最終的に以降の機体で採用したものはこれに更に進行方向に対して垂直方向のCFRP製の構造材を追加し、クロスの接着面積を広くとったものです。

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写真の様に固定し、垂直方向にポリタンクで荷重をかけ、今回の事故でリアスパマウントにかかったのと同じ方向の荷重を掛けた結果、25kgで「おにぎり」という名称の迎角調整用の板状のパーツがマウントの根元より先に曲がって変形しました。
尚、マウントの根元の接着部に破損は見受けられず、ここより先におにぎりが破損したことから、クロスを巻くだけでも前回の様な接着部の剥離は防げることは確認できました。
その後のフライトではカーボンと木材で出来た「おにぎり」をアルミ製に交換し、純粋な剛性向上を測る上、万が一おにぎりが破損してもカーボンの様に一気に破断するのではなく弾性変形にとどめ、胴体桁とリアスパとの接合が外れる様な事態を防ぎます。

今後、機を見て、事故時と同じ構造のリアスパマウントのテストピースも制作し同様の破壊試験を行いデータを集める予定です。

13第4,5回試験飛行

5/24(金)~26(日)にかけ、13年度第4回,第5回目の試験飛行を行いましたので詳細を報告いたします。


5/25(土)  1日目(第4回)

前回の試験飛行での事故後の各種安全点検、修理により中止も検討されていましたが、可能な限りの対策と準備は完了したと判断したので、5/24~26に二日連続で試験飛行を行いました。

胴体・コックピットに対し翼胴接合部及び翼全体がロールしてしまう対策として、U字マウントを立体的に拘束するため前部胴体桁にU字マウントが丁度入るようなボックス構造を接着し今回のTFに臨みました。また、リアスパマウントの接着部の強度は追加の構造材やクロスで大幅に強化し、テストピースの荷重試験で強度が増したことを確認しました。

これまでCFRPと木材のサンドイッチ材を元に作成していたリアスパ-胴体接合、迎角調整用の「おにぎり」もアルミ製に変更し、翼がコックピットに対して回転しようとする際に生じる力に対する剛性を高めました。

尚、改修した翼同マウントは本郷で翼胴接合を行う時間が無かったため、今回の試験飛行の組立の集合前にコックピットと中央翼で接合確認を行いました。その際ボックス構造と中央翼桁側のマウントが1mmほど干渉したので、翼桁側のマウントを紙ヤスリにてやすり、再接合したところ無事に接合することができました。これにより組立前の集合時間が20分程遅れてしまいました。この処置の必要性は出発前に想定されていましたが、問題が発生しても滑空場で対処できると考え、試験飛行を一回遅らせる程ではないと判断しました。

その後、組立は順調に終了しましたが、3:30頃に行った駆動試験中プロペラから異音が発生し、チェックを行ったところプロペラの外皮の継目で亀裂が入っており、テープで補修して駆動試験を行った結果異音は収まりました。そのため、フライト一本目の開始は5時55分と予定より1時間以上遅くなってしまいました。日の出の数十分前から5時頃までは安定して微風でフライトを行うには絶好の条件だったので、この時間を有益に使えなかったことは悔やまれます。今回の翼胴マウント及びプロペラのトラブルは事前に大学で接合試験、駆動試験を行えば未然に防げたことであり、作業日程の甘さは反省していかねばなりません。

尚、前回の事故に対して補修及び補強を施したため、重心位置が以前に比べて前後することが懸念されましたが、重心測定の結果位置の変化はほぼないと判明しました。その為、翼位置は前回の位置に設定し挙動を見ていくことにしました。

土曜日は時間によって吹く強い東風を除けば、北からの微風がずっと続いていたので、フライトは毎回滑走路中間点から北向きに飛ばしました。


1本目:走行試験
最大機速は8.2m/s、 回転数85で車輪は「迎角+1.8°」の物、尾翼はアップトリム1°で行いました。
プッシャーの力のバランスと風によって右にそれ始めたのでストップをすぐにかけました。

2本目:ジャンプ試験
最大機速は8.0m/s、 回転数は80で車輪及びトリムは変更しませんでした。
エレベーターによるインパルスは入れませんでしたが、風に煽られたためラダーとエルロンの操舵量は若干大めでした。尾翼トリムの影響により後輪は浮上が確認されたものの、胴体が水平に至るほどではありませんでした。
後輪浮上後2秒でストップをかけました。この滑走と重心測定の結果から、まだ十分前に重心位置があり、後ろに動かす余裕があると判断しました。

3本目:ジャンプ試験
最大機速は8.0m/s、 回転数80程でした。
飛行中機体の過剰なヨーを察知したスタメンが後部支柱を掴んだのでストップをかけました。また、滑走後半でチェーンが外れてしまい十分に加速できませんでした。

4本目:ジャンプ試験
飛ばず前に、スタメンがロガーの記録用SDカードを入れ忘れたと誤解し一度ストップがかかりました。テストフライト終了後に確認するとログが途中で途切れていることが判明しました。最大は機速7.0~8.0(予測) で回転数75以上と思われます。右にそれたのは風とプッシャーの癖が原因と思われます。


4本目が終わった時点で東側からの強風(風速7m/sを観測)が止まない状況が続き、風を待ってもフライトする時間がないと見込まれたため、機体の風上に機体運搬用のトラックを配置し風除けしつつ、撤収しました。撤収時も強風が収まらず、現役メンバーにも人的余裕が無かったため、キャリアの運搬や保持をOBさんに手伝ってもらう事態になってしまい誠に恐縮です。

滑走時に翼持ち担当者が右にロールする力を常に感じたとの報告があり、翼胴が最初から若干右にロールしていたことが原因として疑われました。

プロペラについては2週後を目処に外皮の強度面を見直した2号ペラの完成を目指します。

5/26(日)  2日目(第5回)

2日目は部員の疲労を考慮し、また1日目に行った重心測定では今までと比べ、特に大きな変化は見られなかったので、重心測定を省略し、組立開始時刻を遅らせました。1日目の電装ログでしばしばフライト後半が記録されていないという問題がありましたが、その原因はSDカードにデータの書き込みが終了する前にすぐにカードを抜いてしまっていたことであると判明しました。以降SDカードの抜くタイミングを遅らせることによりこの問題は解決しました。

組立後のプロペラ回転試験で、異音は確認されませんでしたが、1日目にはなかった新たな表面のヒビが確認されたため、1日目と同じように接着剤とフィルムテープで補強を施しました。

2日目は800m滑走路の北半分をTeam ‘F’, 中間帯にエアロセプシーが記録飛行待機、南側半分をF-tecとWASAが交互に使用するという非常に込み合った使用状況でした。

以下で詳細なフライト内容を記載していきます。なお、対気速度と対地速度は計器の出した数値をそのまま記載していますが、対地速度は対気速度に比べて信頼性がありません。


1本目:ジャンプ試験
風は北側から吹いていたため、5本目までは滑走路の南端から北向きに飛ばしました。1日目の2本目のフライトから、機体は依然として安定側に入っていると判断したため、主翼を1日目よりさらに15㎜(4月の組み立て試験時より45㎜)前に出し、エレベーターのトリムは0度としました。回転数は最大100、対気速度は8m/s、対地速度は9m/sでした。安定して直線的に滑走し、前輪は浮かずに後輪がわずかに浮きました。
https://www.youtube.com/watch?v=CYqMLximEz
2本目:ジャンプ試験
2本目はエレベーターのトリムを1度アップに入れました。回転数は最大98、対気速度は8m/s、対地速度は9.5m/sでした。
滑走路の左にそれたためストップをかけましたが、その際にフェアリングのドアが外れて落下しました。
ドアはマジックテープでフェアリングに留めてありましたが、3本目以降は、これに加えて養生テープでドアを固定しました。

頭下げの姿勢で後輪が数回わずかに浮いてバウンドするような挙動を見せたので、3本目はエレベーターのトリムを1度増やし、アップに2度としました。

3本目:ジャンプ試験
回転数は98、対気速度は最大8m/s、対地速度は最大10m/s、尾翼トリムはアップに2度で、インパルスを使用しました。
結果、インパルス入力直後、後輪浮上前に前輪から頭上げに両輪が浮上しました。浮上後、パイロットがインパルスを解除し、尾翼初期トリム位置に戻すと、直ぐに着地しました。結果、まだ頭下げモーメントが強く、重心は十分安定側であると確認でき、まだ翼位置を前へ移動する余裕があることも確認できました。

4本目:ジャンプ試験
回転数は最大95程、対気速度は最大7m/s、対地は8m/s、尾翼トリムは1度上げてアップに3度、翼位置は引き続き45mm前でインパルスを使用しました。
前回のフライトでストップのタイミングが少し遅れ、停止に時間がかかったことから、今回はパイロットにインパルスを早めに入れる様指示したところ、操舵に意識が行き過ぎ、ペダルを漕ぐことに集中できずに十分な機速と推力を得られませんでした。

5本目:ジャンプ試験
4本目の後、代表・設計・パイロットの3人で話し合った結果、翼位置を更に10mm前に出し、トリムを1.6度に変更することにしました。20分弱かけて設定の変更を行い、そのあと他チームとの兼ね合いで30分ほど待機し、フライトを開始しました。5本目のフライトは、南東から2m/sの背風の状況でしたが、他チームとの配置転換の手間や残り時間を考慮し、4本目までと同様、滑走路南側より北向きに機体を飛ばしました。フライト内容としては、滑走時に右側にヨーイングしていったためストップをかけました。またその際、右からの横風、草地と滑走路の境界でのバウンド、ラダーを左に切ったことなどが原因で左に大きくロールし、左翼を激しく擦り、また左最外翼を支点にほぼ180°回転しました。最大回転数は100、最大対気速度8.1m/s,対地9.2m/sでした。

幸いグランドクルー・パイロットともにけがはありませんでした。

6本目:ジャンプ試験
設定は5本目と同じでした。5本目から変わらず南東からの風があったため、機体を滑走路中央まで移動し、南向きに飛ばしましたが、機体が左にそれたためすぐにストップをかけました。原因としては、風による風見とスタメンの習熟が問題であると思われます。回転数95、機速対気8m/s、対地10m/sでした。

7本目:ジャンプ試験
6本目の後、機体を滑走路400mラインまで戻し、撤収時間が迫っていたため、すぐに南に向け発進しました。6本目同様、滑走時に左にそれていったため、ストップをかけました。また、ストッパーが力を下向きに入れすぎたため、キャッチ時に前輪が浮きました。

https://www.youtube.com/watch?v=dt0IFN6zW8k

今回のテストフライトで、以前からOBの方々から指摘されていた、指揮や情報伝達の不備による時間のロスに改善が見られました。

なお、機体が発進直後に大きくロールやヨーしてしまう主原因として風が挙げられますが、プッシャーやパイロットの修練不足も影響しています。回転数や機速のログ、機体の挙動から判断して、プッシャーは機体を離す直前まで一瞬でも長く機体をまっすぐ保つように努め、地上で離陸速度になるべく早く達せるように、パイロットは操舵だけでなく、回転数を落とさないことにも注意する必要があると結論付けました。

日曜日の5本目で地面に擦った翼の損傷は軽微で、翼胴マウントにも異常は見られなかったため、今週末も試験飛行を実施いたします。

次回のテストフライトのセッティングは2日目の最終セッティングを維持し、インパルスありのジャンプ試験を1本目に行う予定です。


今回の試験飛行動画はこちらにアップロードされています。

第4回試験飛行(1日目)
第5回試験飛行(2日目)

2013年度第3回試験飛行報告(05.12)

 

5/11(土)~12(日)にかけ、13年度第3回めの試験飛行を行いましたので詳細を報告いたします。

今回のTFは金土で雨が降っていたため、土日に実施日を変更しました。
組立中も霧雨が続き、機体に水滴が多量に付着していたため、
重心測定は中止しました。夜明け直前になって無事雨は止み、
少々風は強かったもののテストフライトを中止するほどでは
なかったため実施しました。
今回も低い機速から機体を浮かせるため、迎角を1.8度増す大径の前輪を
1本目から用いました。
今回は風が南から吹いたため、機体を滑走路の北端に移動してから、
南へ向けて試験を行いました。


1本目:ジャンプ試験
翼位置は前回のTFの最終回より更に17mm前(組立試験時の理論値
よりも30mm前)、尾翼トリムは0度でした。スタート直後に風にあおられ
左にロールしたため、直ちにストップをかけました。

その後風が強い時間が続いたため、風待ちを20分ほど行いました。
待機中にチェーンが2度外れたため、テンショナーのバネを
より短い物に交換しました。

2本目:ジャンプ試験
スタート後、風にあおられ再び機体が左にロールすると同時に
主翼の主桁を固定するU字マウントが胴体桁周りにロールし、
曲げに耐えられなくなったリアスパマウントの根元の
接着部がパテおよびロービングごと剥離してしまいました。その結果、主翼は主桁マウントを中心に
頭下げに回転、胴体桁に中央翼の前縁がめり込む形になり、
機体も発生した抵抗により右翼端を擦りながら急停止しました。

その後のテストフライト続行は不可能になったため、その場で撤収になりました。


幸運なことにパイロットを含め怪我人はいませんでした。しかし、飛行中にこのことが起きれば間違いなく悲惨な被害が出ていたはずであり、あってはならない事故が起きてしまったと言えます。
今後は、このような事故が二度と起こらないように反省しなければなりません。

今回のクラッシュでの主な機体破損個所は以下の通りです。
中央翼の中央部の前縁、及びプランクの割れ
中央翼-左内翼のL字接合部の破断
中央翼と内翼のブレーシングの緩み
中央翼-左右内翼のリアスパ接合金具の脱落
主翼のリアスパマウントの接着部の剥離
座席の座面に用いたスタイロの割れ

及び随所での全翼に渡る二次構造の破損とフェアリングの少々の傷みです。
幸いにも翼の主桁を含む一次構造、胴体桁、プロペラ、各種電装類には被害はありませんでした。

今回の事故の原因は胴体-主桁マウントにかかるロール方向の力の見積もりの甘さに有ったと考えています。F-tecでは今年から翼桁の片持ち化を行い、上部張線及び下部張線を廃止しました。このため、今年の機体では例年に比べかなり大きなモーメントがマウントにかかることが予想されました。
そこで、今年のマウントではロールに対する補強を行なっていましたが、対策としては不十分であり、今回のフライトで強い横風に耐え切れず、結果として上記のような事故が起こりました。

今後は胴体・主桁の接合部分の構造を根本的に見直しつつ、破損箇所の修復を行います。
十分な安全性が確認でき次第、次回TFを行う予定です。


今回の試験飛行の動画もYoutubeのF-tecチャンネルに投稿されています。以下の再生リストより御覧ください。

F-tec 2013/05/12 第3回試験飛行

2013年度第2回試験飛行報告(05.04)

今週は先週より若干風の強いものの、快晴で天候に再び恵まれました。

TF出発直前に、エルロンの動作不良が発見されるも、基盤の交換、取付け方法の見直しにより、積み込みには無事間に合いました。基盤上でのはんだ付けの不備、又は操縦桿への過負荷による基盤の変形によるショートが原因であると考えております。

滑空場で機体組み立て後の操舵試験でラダーが逆に動くのが判明しましたが先週同様その場でプログラムを修正しました。重心測定の結果、機体総重量は先週より約200g増しになっていましたが計算の結果、重心位置は1mmも変化していなかったため、先週の6本目と同じセッティング(翼位置は4/20の組立試験で求めた値のまま、今回のジャンプ試験を始めることにしました。

尚、先週チェーンが何度か外れるトラブルがあったため、今回はチェーン長さを詳細に測定し直し、チェーンを2ピッチ縮め、それに伴いテンショナーのばねも変更したところ、チェーン外れのトラブルはだいぶ改善されました。翼胴マウントが胴体桁の周りを僅かに回転してしまう問題も、マウントの接触部分の拡大、滑り止め材の変更、接着の見直しにより解決しました。

更に前回のテストフライトでエルロンの効きが良すぎると懸念されたため、切れ角を減らしエルロンの可動域を+5~-6へ変更しました(前回の正確な切れ角は測定しそびれたので不明ですが、約7度と予想されます)。尚、パイロットの操作性を上げるため、ゲインを1/3に減らし、今回は作業場で実際の操縦桿への入力に対する切れ角の度合いをパイロット本人に確認してもらいました。


1本目:走行試験
使用した車輪は先週走行試験の実施しなかった「迎角1.4度増し」の車輪。
最大回転数は80程、最大機速度は約7.8m/sで尾翼の初期トリムは0度で行いました。
両輪浮上はせず滑走路右にそれて停止するも、車輪に異常は見つかりませんでした。

2本目:走行→ジャンプ試験
使用した車輪は先週の最後と同じ「迎角1.8度増し」の車輪。
最大回転数は約80から徐々に100まで上げました。最大機速度は7.5m/s程。後輪が微かに浮上したと確認されました。滑走中に北東(正面右)からの風により機体が大きく左に逸れ、パイロットの操舵が間に合わず滑走路脇の草地に入ってしまい、チェーンが外れましたが幸運にも機体に損傷は見受けられませんでした。

3本目:走行→ジャンプ試験
車輪は2本目と同じ物。今回は尾翼トリムをアップに1度入れました。回転数は約75から110まで徐々に上げて行きました。機速は約7.6m/s。また北東からの風に見舞われ、後半で後輪は浮くも、前輪は浮かないままほんの少し編流飛行気味になりました。グラウンドクルーのストップの声がパイロットに届かず停止が遅れ、再び草地に入り込みチェーンが外れてしまいましたが奇跡的に今回も機体に損害はありませんでした。このジャンプ試験の前半でエルロンでロールを直せている事が確認でき、切れ角とゲインのバランスの先週からの改善が確認されました。

4本目:ジャンプ試験
車輪は変更せず、トリムもそのままで、パイロットの要望によりペラピッチを1.2度から2.0度へ変更し、チェーンを更に2ピッチ詰めました。回転数は約120で行い、機速は約7.8m/sでした。プッシャーの押し方と風の影響でスタート後すぐに右に大きくそれ、操舵も間に合わず草地に入ってしまいました。機体への損傷はありませんでした。後輪の浮上がはっきり確認できましたが、機体が水平には至りませんでした。

5本目:ジャンプ試験
Team ‘F’さんとの兼ね合いにより4本目の停止位置からスタートしました。回転数は約110で機速は約7.8m/sでした。4本目とほぼ同じ挙動を示したためすぐにストップをかけました。チェーンのピッチを詰めたことによりテンショナーのプーリーに力がかかり何度かオーバーセンターをしました。

6本目:ジャンプ試験
車輪、トリムは変更せずに行いました。回転数はオーバーセンターをしないように40-50で先に回しつつ、走行中は120へ上げました。機速は7.8m/sでした。ラダーの操舵が甘く、草地に再び入ってしまいました(尚機体損傷はなし)。パイロットにラダーは今回よりもより持続的に入れる様に指示しました。

この後一度滑走路から機体を離し、Team ‘F’さんの800m飛び切りの間に翼位置、トリムを調整及びテンショナーのばねを短いものに変更し、再開しました。

 

7本目:ジャンプ試験
車輪はそのままで、翼位置を13mm前へ移動し、エレベーターのトリムを0度に戻しました。回転数は約110,機速は約8.0m/s程でした。風により、大きく左にロール、ヨーイングを起こしましたがラダーを長めに切り修正し3本目より激しく前輪のみ滑走路に着いた状態で編流飛行の様な滑走になってしまいました。

8本目:ジャンプ試験
車輪はそのままで尾翼トリムを更に1度アップで、計2度アップに設定しました。回転数は約110で機速は約8.0m/sでした。再び左に大きくロール、ヨーイングを起こし、草地に入ることを恐れすぐにストップをかけましたが、適切な操舵により真っ直ぐの安定滑走に戻りました。序盤でパイロットが操縦桿に力を入れ過ぎ、操縦桿の固定部の接着が外れかかった状態になってしまいました。

操縦桿の接着部の破損で時間の兼ね合いから今回はこれで撤収にしました。全体的にまだ重心位置は前で安定側に入りすぎているので次回は翼位置を更に17mm前(組立試験の結果より計30mm前)で尾翼トリム0度でジャンプ試験を開始しようかと検討しております。


今回の試験飛行の動画もYoutubeのF-tecチャンネルに投稿されています。以下の再生リストより御覧ください。

[F-tec 2013/05/04 第2回試験飛行]

遅ればせながら・・・

どうも、ジョニーです。いやあ、今年はすっかりフェアリングの報告を書くの忘れていました。 では、今年の製作の様子をダイジェストでどうぞ!

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オレンジの線が去年のフェアリングの輪郭です。足回りの空間、ドアの大きさを去年より大きくしつつも去年より前方、横の投影面積を減らし、最終的抵抗も、今年の機体速度で去年よりも少なく仕上がっています。フェアリング設計はかなりの力作です!

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↑こんなハプニングもありました。。。

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2013年度第1回試験飛行報告(04.27)

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4/26(金)~27(土)にかけ、13年度初めての試験飛行を行いましたので詳細を報告いたします。

組立時は少し風が気になる程でしたが、フライト時には北からの微風かつ快晴という好条件でした。
初回の試験飛行につき組立、操舵試験、重心測定、翼位置の変更に時間がかかると見込んで余裕を持って1時20分に組立を開始しました。そして、3時前には組立が完全に終わり、そこから操舵・駆動試験および重心測定をし、測定の結果、翼位置は大学での荷重試験から決めた位置から動かさないことにしました。詳しくは後述します。また、操舵試験中に操舵のプログラムに問題が発生しましたが、後述するように書き換えを行い解決しました。
重心測定後はメンバーのアップおよび休憩時間をとり、日の出の20分前の4:40頃に機体の移動を開始しました。


今年は設計機体速度が9.5m/sと滑走路上のスタメンによる加速のみでは必要速度まで加速出来ないと判断したため、縦の安定性の確認のためにも、低機速で一度機体を浮上させるため、インパルスによる離陸か、主翼設定迎角の変更が考えられました。
その結果、パイロットがまだ未熟である内はインパルスによる離陸は望ましくなく、胴体桁に対する迎角を変更するのはトリムや重心位置を合わせた後また本番用の迎角に調整する手間が発生するため、主翼取付け角自体は変更せず、前輪に高さの違うものを用いることによって離陸時の迎角を増加させる案を採用しました。

用意した車輪は4種類:通常車輪(大会本番で使用予定)の「迎角0度増し」の物、黒色の車輪で「迎角0.9度増しの物」、茶色の車輪の「迎角1.4度増し」の物、青色の車輪で「迎角1.8度増し」の物。尚今回は「迎角1.4度増し」の車輪は使用しませんでした。初期のテストフライトでは大きめの車輪を使用し、とりあえず機体を離陸させ安定性を観察して重心を合わせるとともにパイロットの習熟を図り、シーズン後半で出来れば通常車輪でインパルスを用いた離陸を行いたいと考えています。

更に今回の機体では、去年車輪に直接取り付けるブレーキが強すぎ、使用できなかったことから、着陸後に機体速度を低下させるブレーキの新たな案として、実験的にエルロンブレーキを実装しています。実態は両エルロンを同時に6度程頭下げに切るスイッチを操縦桿の反対側のグリップに装着したもので、通常車輪使用時、翼端の迎角が約0度から下がることで全機体抵抗を約1.1N増加させられます(空中での全機体抵抗は約24N)。なお、今回のテストフライトでは撤収時間が迫っていたため試用しませんでした。あくまで実験的な装備であり、コンテスト本番ではもちろん取り外す予定です。

今回のテストフライト前の組立時、操舵試験でエルロンの効く向きが逆であり、エルロンブレーキが動かないことが判明。書き込むプログラムを間違えていた様なのでその場で修正しました。しかし何度か操舵試験をしているうちに右のエルロンがニュートラルに戻らなくなるトラブルが発生。その場しのぎの策として、右側のもエルロンに初期トリムをつけ対処しました。帰還後、リンクの2本のネジの過度の締め付けによってサーボホーンのなめりが原因と発覚しました。

今回の重心測定の結果、大学での組立試験時よりも60mm翼位置を前に動かすのがよいという結果がでましたが、想定していたよりも余りに差が大きかった上、組立時に風が少し吹いていたこと、初回であることを考慮し、安全側の大学での値を採用しました。また、機体重量が設計想定時よりも1.5kg程軽くなっていたため、翼の取り付け迎角を3.2°から3.0°に変更し試験飛行を実施しました。


1本目:歩行試験
使用した車輪は「迎角の0度増し」、即ち通常仕様の車輪。 回転数は約60rpmで実施。 何本か非常に距離の短い物を行った 途中、回転数計、チェーンが外れる等のトラブルに見舞われたが、テンショナーのバネを更に短い物に変更しチェーンのたるみを解消。 他に、スタメンの押し方の問題から何度か左右に進路がずれることがあったものの、車輪自体に問題はなし。

2本目:走行試験
試験前に回転数計の電源の入れ忘れに気付いてストップをかけ、入れ直してから実施。 使用した車輪は「迎角0度増し」の物。 回転数は約70~80で実施。 特に異常は見受けられず。

3本目:走行試験
使用した車輪は「迎角0度増し」の物。 回転数は約70-80で実施。 発進後右にロールした。 停止後翼胴接合がずれているのがはっきりと視認出来る程になっていた(右翼下がり)ので、接合を修正すると同時に車輪を変更(前輪)

4本目:走行試験
使用した車輪は「迎角0.9度増し」 回転数は約70-80で実施。 今までより大きく上反が付く程まで加速したものの浮き上がりはせず。 また機体は右にそれて停止。 車輪から異音と見受けれられる大きな音を確認したが、点検したところ問題は無かった(素の車輪の音)。この車輪は他の車輪よりも走行抵抗が大きい懸念が出た。 試験後車輪を変更

5本目:走行→ジャンプ試験
使用した車輪は「迎角1.8度増し」の物。 回転数は約90-100で実施。 機速計での最大速度は約8.2m/s 最初の方で走行試験を実施し、問題が無さそうであったのでそのままスタメンの全力疾走へと移行しジャンプ試験を行った。機体は左へ逸れ、後輪が浮くのをはっきりと視認。パイロットがエルロンを一瞬右へ切ったところ機体が大きく右へ逸れ、滑走路の中心を超えて停止。エルロンの効きが少し良過ぎると判明。パイロットと複数の目撃証言から、前輪が本の微かに浮上していたと判明。

6本目:ジャンプ試験
使用した車輪は「迎角1.8度増し」の物 回転数は約100-120で実施 機速計での最大速度は約8.2m/s 又後輪から浮き、続いて一瞬前輪が浮くのを確認。 パイロットが一瞬エルロンを使い、右へ切った後、切り過ぎたと感じたため左へ切ったものの機体が反応せず。停止後、右エルロンが頭下げの位置で固定されてしまっており、動かなくなっていたことが判明。後の検査で、サーボのホーン(プラスティック)の歯のなめりが原因と判明。このサーボは去年から引き続き使用していた物である。該当するパーツをアルミの新しい物に次回以降変更することに決定。


6本目の結果、フライトを続行することはできなかったため、予定より少し早めでしたが6:40に解体を開始しました。解体自体は特に問題なく終わり、7:55には滑走路から撤収しました。

次回の試験飛行での調整方針は今回の結果を熟考して木曜日のミーティングまでに決める予定です。

試験飛行の動画はYoutubeのF-tecチャンネルに投稿されています。第一回の動画は以下の再生リストより御覧ください。

F-tec 2013/04/27 第1回試験飛行

ロールアウト

なぜここまでかかってしまったのでしょうか・・・TF前日の今日、車輪の完成をもって胴体班はようやくロールアウトを迎えることができました。

まあ何とかなってよかったです。後はTFで問題が発生しないことを願うばかり・・・

報告

機体に乗せるNexusにマウントを接着しました。Nexusをやすったり接着したりした事例は割と珍しいのではないでしょうか。

今はフェアリングの作業と平行して車輪を作成しています。今年はTF(試験飛行)で滑走中に迎角を大きくする為の車輪も作らないとならないため、いろいろとすることが多いです。

近況報告

ご無沙汰しております。組立試験も終わり、製作の目処もついてきたので久々に更新します。

3月は駆動部(ペラシャフト、ペラハブ、テンショナー等)や尾翼or主翼マウントの製作をしていました。
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ペラシャフトです。CFRP部分とアルミ部分の接着面積を増やす一方、不要な部分を肉抜きすることで去年と同じく500g程度になりました。今年は抜けませんよー。

スプロケットとの接合部や胴体桁との接合部がまだまだ重いような気がするので、そこは来年に期待。。。
ペラハブの話は長いのでまた他でします

 
その他には、真空引きをゴミ袋でやると捗ることを発見してたりしてました。下のは主翼-胴体マウントの真空引き中の写真。

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ウチでやる真空引きは大体ゴミ袋で事足りそうです。いままでの真空バックとはなんだったのか・・・