カテゴリー別アーカイブ: 試験飛行報告

12年度第5回試験飛行報告(6/2)

今回は天気予報で少し天気が乱れる予報が出ていましたが、結局は曇りの穏やかな天候となり、非常に良いコンディションの中で行うことができました。

今回は重心測定を行うため、いつもより1時間早く1:15に組み立てを開始しました。1時間弱で後部胴体を除いた機体の組み立てを終え、尾翼なしでの重心測定を行った後、尾翼を取り付けて重心測定を行いました。3:10に重心測定・駆動試験・操舵試験を終え、空が明るくなり始める4:00ごろまで待機しました。


  • 1本目:短距離試験

北北東の風1m/sの中でのフライトとなりました。組み立て中から非常に安定した微風だったので、風に関しては問題はないと判断しました。きれいに滑走した後、エレベータを入れて浮上しました。エレベータをアップ側に入れ続け、縦方向は安定していたように見られる挙動をしました。

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今回、計測機器の不調で舵角のログが振り切れています。次回までに修正する予定です。

若干横風に流され、早めにストップをかけたため、同条件でもう1本飛ばすことにしました。

  • 2本目:短距離試験

風が若干弱まり、北から0.5m/sほどになりました。1本目と同様エレベータを入れて浮上させました。エレベータを入れ続けた状態で姿勢を保ち、200mほど滑空しました。

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フライト中エレベータを入れ続けていたため、トリムを1degアップにすることにしました。

  • 3本目:短距離試験

北からの風が、1.0m/sほどでした。エレベータトリムを水平から+1degとしましたが、挙動は2本目とほとんど変わりませんでした。機速は8.5m/sまで達したものの浮上しなかったため、エレベータを入れて浮かせ、姿勢を維持しました。

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今回のフライトまですべてで、浮く前からエレベータに頼りすぎている感じがあったので、自然に浮上するまでエレベータを入れないようパイロットに意識してもらうことにしました。

  • 4本目:中距離試験

風は少し弱まり、北から0.5m/sで安定していました。急に危険な挙動をすることはないだろうと判断してこのフライトから少しずつグランドクルーの配置間隔を延ばしていきました。

滑走中はエレベータを入れず自然に浮上するのを待ちましたが、8.5m/sに達したもののなかなか浮かなかったためやはりエレベータを少し入れて浮かせました。

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エレベータに頼って浮上する傾向は改善されましたが、まだトリムアップの余地があると判断し、エレベータトリムを1degアップして2degとしました。

  • 5本目:中距離試験

4本目と同様、北からの風0.5m/sでした。少し長めに滑走した後、エレベータを少し入れて浮上させました。エレベータを入れて高度を上げ、ニュートラルに戻すと少し頭下げで高度が落ちていくという挙動を3回繰り返しました。

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4本目と比べてエレベータに依存して浮上する傾向はさらに改善しましたが、ニュートラルで頭下げの傾向が見られるので、
トリムをさらに1degアップして3degとしました。機速は地上滑走時は8.5m/sに達し、浮上してから設計機速を下回る8.0m/sほどとなりましたが、やがて回復するため揚力不足の心配はないと暫定的に判断しました。

  • 6本目:中距離試験

風は弱まりほぼ無風となりました。きれいな滑走の後、軽いパルス的なエレベータ入力により浮上しました。滑空中数回エレベータを利用しています。浮上後は上空の風に煽られ、右に流されましたが、エルロンとラダーを併用して滑走路の中央まで機体を戻し、エレベータを使ってきれいな着地をしました。

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挙動の再現性を確認するために、同条件でもう一度繰り返すことにしました。

  • 7本目:中距離試験

また少し風が出て、北から1.0m/sで安定していました。

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今回は浮上直前のエレベータ操作が大きすぎたために、機体は大きく頭上げ状態で浮上しました。そのまま上空の横風により大きく左に流されました。位置修正のためエルロンとラダーを入れてロールさせましたが、姿勢回復は間に合わず、着地時に右翼端を滑走路に激しく擦りました。これにより右翼端のプランクとフィルムを損傷したので、その場で補修を行いました。

  • 8本目:中距離試験

6本目と同様、時折エレベータを入れながら安定した飛行をしました。

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トリムアップの余地がまだあると判断して、+0.5degして3.5degとしました。また、かなりフライトが安定してきたため、次からはさらに距離を伸ばしてみることにしました。

  • 9本目:長距離試験

エレベータにより浮上しましたが、浮上後にエルロンを操作した際に右エルロンのリンク機構がオーバーセンターを起こし、エルロン部が頭下げ状態のままロックしてしまいました。これが原因で右にロールし、着地の際に右翼端を草地に擦りました。
また、9本目では後輪のブレーキシューが車輪に接触し、地上加速時の抵抗となっていたことも判明しました。

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エルロンのリンク機構の動作が怪しいのでこれ以後はエルロンは使用しないこととし、またブレーキも使用せずに機体の運用が可能であると判断したため、シューを外して接触が起こらないようにしました。

  • 10本目:長距離試験

9本目では距離を取れなかったので、もう一度同じ条件でフライトを行いました。


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きれいに滑走し、回転数100・機速が8.5m/sに達したところでエレベータを入れて高度1.0mまで浮上させ、その後最後までエレベータをアップにいれつつフライトしました。滑空時の機速は7.5-8.5m/sで、浮上した際に100rpmだった回転数はだんだん減っていき、最後の時点では90弱まで落ちていました。風に弱く流されていたのでラダーを使って400mほど飛行し、最後はエレベータをうまく使って下ろしました。

  • 11本目:長距離飛行

このとき風は少し向きが変わり、北北東から1.0m/sでした。10本目ではエレベータを入れ続けて飛行していたので、トリムを更に1.0degアップにして4.5degとしてフライトを行いました。


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地上滑走で回転数100rpm・機速が9.0m/sに達したところでエレベータを軽く入れて高度1.0mまで浮上させました。その後は断続的にエレベーターは入れて高度を3mほどまで上げ、回転数90強、機速8.0m/s前後で安定して飛行しました。地上3mあたりでは風が安定していなかったために何度か風にあおられる様子を見せましたが、うまく戻しつつ600m超を飛び、きれいなランディングを決めました。


今回の試験飛行でほぼ安定が取れてきたため、次回からは距離を伸ばしつつ微調整を進めていきたいと思います。エレベータトリムが最終的には水平から機首上げ方向に4.5degとしていたため、次回翼位置をさらに前に出すか、このままトリムを調整するかどちらにするか検討します。

動画

こちらの再生リストより、全フライトの動画がご覧になれます。 http://www.youtube.com/user/10Ftec#grid/user/0EB509A9E9D7912D

12年度第4回試験飛行報告(5/26)

今回は非常に穏やかな天候で、絶好の試験飛行日和となりました。

2:15に組み立てを開始し、3:30に組み立てを完了。3:40から駆動試験等を行い、4:20に最初のフライトを行いました。先週調整を行った箇所でねじを締め忘れている等の不備が見つかりましたが、再度チェックを行い問題ないと判断しました。

なお今回の報告より、フライトログを添付します。緑が機速(左目盛)、青が回転数(右目盛)、赤が高度(左目盛)、水色がエレベータ(機首上げ方向正、左目盛)、黄色がラダー(左目盛)、ピンクがエルロン(左目盛)です。舵角のデータにノイズが多く乗っているのは現在のところ仕様ですが、改善を図っていきます。


  • 1本目:短距離試験

北からの安定した風1m/sの中でのフライトでした。きれいに滑走した後エレベータで上げ、浮上した後エレベータを戻したところ、すぐに頭下げで落ちる挙動をしました。
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頭下げの挙動が見られたので翼位置を前に出したいと考えましたが、トラックまでの距離があったため、もう1本飛ばしてトラックの近くまで機体を動かし翼位置を調整することにしました。

  • 2本目:

1本目と同じように8.0m/sを超えたところでエレベータをいれ、浮かせました。
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1本目と同じような頭下げの挙動を示したため、翼位置を9mm前に出しました。

  • 3本目:

エレベータを入れて浮上させ、エレベータを入れ続けた状態で安定したフライトをしました。

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浮上後の機速が7.5m/sで、設計より1m/sほど機速が足りていなかったため主翼迎角が大きすぎることを疑い始めました。

  • 4本目:

スタート直後はまっすぐ進みましたが、徐々に右にそれていったためストップしました。

  • 5本目:

4本目と同様の様子で右に傾き始めましたが、エレベータを使って機体を持ち上げました。そのまま東に流されてしまったのですぐに機体を下ろしました。

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今回多くのフライトで進行方向右にそれる挙動を示していましたが、この原因がエレベータの取り付けが水平でないためか、機体が風見安定の挙動を示したのか判断するのは微妙だと考えました。

  • 6本目:

5本目の挙動より、迎角をやや下げてみることとなりましたが、作業場所の関係もあり、5本目と同じ条件でフライトをしました。

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5本目と同様に右にそれつつある挙動をしました。また、減速時にチェーンが外れテンショナーに力が加わり、テンショナーを固定しているアルミ金具の接着が外れ、テンショナーが脱落しました。点検の後、5分エポキシで金具を接着し直して続行することにしました。

機体は浮上するものの、機速が8.5m/sに達しないため、主翼迎角を0.4°下げました。}

  • 7本目:

エポキシの硬化を待ち、6:40からフライトを再開しました。このとき風は無風となっていました。

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グランドクルーの感覚として6本目までと比較し機速は上がっていましたが、このときはエレベータを入れたものの浮上には至りませんでした。

  • 8本目:

4本目や5本目と同様な挙動で右にそれてゆきました。そのまま行くと浮上せず草地に入りそうだったため、すぐにストップをかけました。

  • 9本目:

再度穏やかな風が出始め、北北東から0.5m/sでした。機速は8.0m/sに満たない程度まで加速するも、同じような挙動で右に曲がり始めたので、即座に停止しました。

  • 10本目:

綺麗な滑走をしたため、7m/sに達したところでエレベータを入れたところ、8.5m/sくらいまで地上滑走中に加速し、浮上しました。

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浮上後に機速は低下し、8m/s程度となりました。2mくらいまで高度を上げた後、エレベータをニュートラルに戻したところ、
すぐに落ちていく様子を見せたため、エレベータを再度入れて浮上させました。


10本目を飛ばし終えた時点で時刻は7:13だったので、解体を開始しました。参加人数が多かったこともあって特に問題も起こらずスムーズに進み、8:00に滑走路から撤収を完了しました。

10本目にエレベータで浮上させた時、機速は8.5m/sに達していましたが、頭上げの挙動はみられなかったため、さらに主翼位置を前に出すべきではないかと考えました。今回の挙動から、次回の試験飛行では翼位置を10mm前に出すことにします。

第1回、第2回の重心測定の結果から比較して翼位置をかなり前に出していますが、安定が取れる様子がないため、パイロットの姿勢が変わったなどの影響が出たのではないかと考えています。次回の試験飛行時に再度重心測定を行い、もう一度翼位置の算出に関して検討してみます。

動画

今回本文にYouTubeの動画を貼ってみました。

ここに無いフライトの動画は、こちらの再生リストよりご覧下さい。全フライトをアップする予定です。http://www.youtube.com/playlist?list=PLFB22A78801ECC485

12年度第3回試験飛行報告(5/12-13)

今回は5/12、5/13と2日連続で試験飛行を行いました。

(追記5/28: ログのデータとYouTubeのプレビューを追加しました。)

5/12 1日目

天気は快晴、組み立て時から北よりの微風が吹いた状態で行いました。今回は他チームの方は来ず、単独でのTFになりました。

設定は前回からペラピッチを2degアップに変更、その他の設定はそのままで行いました。

組み立てを2:00に開始し、3:30に組み立てを完了しました。その後操舵試験と駆動試験を行って、組み立て試験の際にプロペラから異音がしましたが、表面のバルサが一部はがれた際の音だと判断して続行しました。4:15から機体の移動を開始し、4:30にフライトを開始しました。

今回は始終北よりの風だったので、全てのフライトを北向きで行いました。


  • 1本目:走行試験

スターティングメンバーの押し方を変えたため、この練習と、パイロットが横風があるときに滑走中にエルロンとラダーで機体の姿勢を保つ練習として行いました。

スタメンの押し方と機体の姿勢に問題はありませんでしたが、エルロンを切った際にリンク機構が脱臼し、サーボから異臭がしたため、エルロンは電源を抜いて固定し、続行しました。

  • 2本目:ジャンプ試験

ここからはジャンプ試験として行いました。機速は8.1m/s、回転数は110rpmで、浮上には至りませんでした。

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パイロットが操縦桿に力をかけた際に操縦桿の台座が割れたため、応急処置を施し続行しました。

  • 3本目:

機速は8.1m/s前後、回転数は100で、パイロットがエレベータを操作し浮上しました。
https://www.youtube.com/watch?v=axUJByBj31Y)

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後ろから浮上したように見えたため、エレベータトリムを1degアップにしました。

  • 4本目:

滑走中から徐々に右にロールしつつ、左に曲がっていったためストップをかけました。これは押し方の問題と判断しました。

  • 5本目:

7m/sで滑走し、機速不足で浮上しませんでした。

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  • 6本目:

滑走を始めた直後、パイロットが傾き始めていると判断しすぐストップしました。

  • 7本目:

この時風が北西から北東に向きを変え始め、7本目のタイミングで滑走路にほぼ正対していました。強さは1m/sほどで安定していました。

機速8m/sほどに達したのちエレベータで浮上し、50mほど飛行しました。

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  • 8本目:

7本目である程度飛行したため、ここからは短距離試験としました。

浮上前から機体が若干西を向き、8m/s弱で浮上しそのまま北東からの風に流され、滑走路上で斜めに着地しました。

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* 9本目:

滑走中にペラチップが取れてストップしました。今回も応急処置を施し続行しました。

  • 10本目:

滑走中に徐々に右にロールしていったため、ストップをかけました。

  • 11本目:

浮上直後から北東の風に流されましたが、パイロットの判断でラダーを操作し、滑走路上に着地しました。8m/sで浮上、このときの回転数90rpmでした。

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  • 12本目:

風が北東からで安定していたため、滑走路上東よりからスタートしました。風にかなり流され西側の草地に着地しました。このとき7.5m/s、回転数は90rpmでした。

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  • 13本目:

浮上直後にパイロットのラダー操作で風に正対し、そのまま東側の草地の方へ着地していきました。

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13本目終了時点で6:45分だったため、余裕はありましたが解体を開始しました。解体自体は早く終わり、7:45に滑走路から完全に撤退することができました。

1日目の様子から、浮上してはいるものの機速が足りておらず、パイロットがきついと言っていました。これは去年の翼位置が後ろすぎたときの挙動によく似ていたため、2日目は
翼位置を7.5mm前に動かし、エレベータトリムを0に戻して(1日目の最後の時点で+2degとなっていました)行うことにしました。

5/13 2日目

1日目と同様に2:00に組み立てを開始し、3:15に組み立てを完了しました。

すぐ駆動試験に移りましたが、途中急に風が強くなり、主翼とラダーがあおられ始めたため、駆動試験を中断し主翼とラダーを保持し待機することにしました。

その後夜明けとともに風が西から南、東へと方向を変えましたが、3m/s~4m/sの強めで吹いている状況は変わりませんでした。ラダーと最外翼を取り外し、風が落ち着いたところで
再開できるように準備して待機していましたが、6:00を過ぎて太陽が昇ってきても状況が変わらなかったため、6:05に撤収の判断をし、解体を開始しました。解体自体は少しゆっくり行いましたが、7:15に撤収を完了しました。


2日目は結局風が悪く一度も機体を飛ばすことが出来ませんでした。1日目の様子から主翼を7.5mm前に出す判断をしたため、次回の試験飛行もこの調整で挙動を見ることにします。

動画

全フライトの動画はこちらです。→http://www.youtube.com/playlist?list=PL817C1E5FEEB0D079

2012年度第2回試験飛行報告(05.05)

2cap2今回はTeam’F’さんと合同の試験飛行となり、F-tecは主にジャンプ試験を行うことを考えていたため、北側の200mを使わせていただきました。

機体の組み立ては前回の結果を踏まえて、今回は1:30に開始しました。今回は組み立て時から快晴で、月明かりの下とても作業しやすい環境でしたが、西から3m/sほどの風が始終吹いていました。

組み立ては3:00に終了し、15分ほどで操舵試験と駆動試験を終わらせ、余裕を持って待機していましたが、西からの風(滑走路垂直方向)が収まらなかったため、空が明るくなり始めてからも4:40頃まで待機していました。


  • 1本目: 走行試験

3m/sほどの西風があったため、ジャンプ試験の前に一度走行試験を行うことにしました。

回転数を60rpmほどにし、スタメンの習熟のために浮かない程度の機速で走行させようとしましたが、強い西風に煽られて左にロールし、翼が接地して停止しました。

翼が地面にこすった際異音がしたため、翼を点検しつつ風を待ちました。

  • 2本目: 走行試験

5:00頃になり、風が少し弱まってきたことと、翼に異常がなさそうだったことから2本目の走行試験を行いました。このとき南西の風、機体は右に曲がっていきストップをかけました。

この様子からまだ風が強いと判断し、そのまま風待ちをしました。

  • 3本目:ジャンプ試験

6:00になり、風が北西の微風になったため、機体を北向きに回してジャンプ試験を行いました。

スタメンが機体を離す頃に右ロールがついていて、そのまま左に曲がっていきました。

  • 4本目:

3本目と同条件で行いました。3本目ほど大きくは姿勢を崩しませんでしたが、これも右ロール後左に曲がっていく同様の傾向を示しました。

  • 5本目:

同条件で行いました。今回は右ロール後に右に曲がっていき、滑走路中央の白線を越える際の衝撃でプロペラチップが取れましたが、木工用ボンドとテープで応急処置を行いました。

3~5本目の様子から、パイロットの判断でエレベータトリムを+1degにしました。

  • 6本目:

3本目から風の様子はほとんど変わらず、このときは西からの微風でした。今回は機体はロールはせず、まっすぐ走っていきました。回転数が110rpmまで達したものの、機速は8.0m/sにとどまり、機体が浮く様子は見られませんでした。

5本目終了時に応急処置を行ったプロペラチップが再度外れたため、テープでもう一度強く固定しなおしました。

  • 7本目:

6本目と同じ条件で行い、今回はほぼ無風でした。機速は6本目と同様8.0m/s以上にあがらず、徐々に右ロール、右曲がりしていきました。最終的に草地のほうへ機体が行ったため、パイロットの判断でラダーを操作し、強く効くことがか確認できました。

  • 8本目:

南東からの微風に変わっていたため、滑走路の北端から南へ向けてジャンプ試験を行いました。スタメンの押し方の問題か、押している間から機体は右へロールを始め左に曲がっていきました。回転数は110rpmを出しましたが、機速は7.0m/sどまりでした。

  • 9本目:

8本目がスタメンのミスのようだったので、8本目と同条件で行いました。しかし今回も機体を離した時点で右にロールがついていて、左へ曲がっていきました。


8本目、9本目ではTeam’F’さんのS字飛行を待たせている状態だったため、9本目が終わった時点で撤収を決めました。(このとき6:50過ぎでした)

撤収自体は特に問題なく終わり、7:50には滑走路を出ました。
今回のTFではスタメンが不慣れだったことが原因で、機体を押しているときの姿勢が安定しなかった一方、うまく押せていたとき(6本目、7本目)でも機速が設計値に達しず、浮上させて挙動を見るにはいたりませんでした。

風に恵まれなかったこともありますが、もう少しパイロットが自力で機速を上げて浮上させることができるよう、
次回はプロペラピッチを1deg上げて、他は今回と同じ設定から行います。

動画はhttp://www.youtube.com/playlist?list=PL707280CB398EC8D7よりご覧ください。

2012年度第1回試験飛行報告(04.28)

 4/27(金)~28(土)にかけ、12年度初めての試験飛行を行いましたので詳細を報告いたします。

 今回は最初ということで、まっすぐ走行できるかの確認と、ジャンプ飛行までを目標としました。前日まで雨が降っていましたが、機体組み立ての時間にはすっかり雨も上がり、風もほとんどなく絶好のコンディションになりました。当初組み立て開始は1:00を予定していましたが、渋滞で到着が遅れた影響により1:30に開始となりました。

 途中接合のやり直し等で予定より時間はかかりましたが、3:40に一旦組み立てを完了し、駆動試験と操舵試験、続いて重心測定と迎角測定を行いました。迎角測定の結果、主翼迎角が設計値より0.6度小さいことが判明したため、その場で0.6度上げ、4:45に試験を開始しました。主翼の位置に関しては、設定値よりわずかに前に出したほうがよいという計算結果でしたが、値がわずかであったことと、すでに明るくなっていたことからそのままの設定で行いました。


1本目:歩行試験

 人が歩くくらいのスピードで滑走路上を走行させました。結果、車輪周りに異常はなく、そのままの状態で試験が続行できると判断しました。

2本目:走行試験

 人が押した状態で、小走りするくらいのスピード(4m/s)で機体を走行させました。プロペラは40rpmで回転させ、特に異常はないことを確認しました。

3本目:走行試験

 プロペラを80rpmほどで回転させ、8m/s位を目標に走行させました。特にロールしていく様子はなく、安定した走行でした。

4本目:走行試験

 3本目と同じ条件で行いましたが、今回はスターティングメンバーが機体を離した直後から右にロールしていったため、すぐにストップをかけました。

 4本目までの様子を見た結果、機体のロールについてはジャンプ試験を行いつつ様子を見るのがよいと判断し、5本目からはジャンプ飛行を行うことにしました。

5本目:ジャンプ試験

 スターティングメンバーが機体を離した直後にフェアリングのドアが外れたため、すぐにストップをかけました。ストップの際パイロットの判断でブレーキをかけ、効きを確かめることができましたが、車輪のゴムの焼けるにおいが激しいことを確認しました。この結果を受け、以降よほどのことがない限りブレーキは使用しないことにしました。

6本目:

 今回も4本目と同様に機体を離した直後から右にロールし始め、右に曲がっていったためすぐにストップをかけました。

7本目:

 6本目のロールはスターティングメンバーの慣れの問題だと疑い、同条件で再度行いました。今回も右ロールしたためストップ。

8本目:

 右にロールしがちなのはスターティングメンバーの押し方の癖なのではないかと考え、後部支柱を押していた2人の左右を交代ました。結果、今度は大きく左にそれてすぐストップしました。

9本目:

 押し癖に関しては予想通りの傾向だったので、スタメンの習熟を待つことにし8本目と同じ条件で行いました。後輪からわずかに浮き、徐々に右にそれていって停止しました。浮いたときの回転数は108くらいで、機速は不明でした。

 9本目の様子と重心測定の結果から、主翼を前に5mmずらし挙動をみたいと考えましたが、撤収の時間が迫っていたため、エレベータトリムを+3degして様子を見ることにしました。(本来+1degの予定でしたが、ゲインのミスで想定以上にトリムを変更してしまいました。)

10本目:

 離した直後から徐々に右にそれていきましたが、前輪からわずかに浮き、10mほど飛んで草地の上に着陸しました。このときの回転数は102-103ほどだったようです。

 着陸直後に何かに引っかかったような衝撃が加わり、急停止。機体全体を確認したところ中央翼と左再外翼のリアスパの接合部と中央翼のブレーシングが破損していました。

 挙動を見れた点では貴重なフライトでしたが、そもそも滑走時に右にそれていっていたため、その時点でストップをかけるべきだったと思われます。ストップをかけるときの判断に関して反省すべきフライトでした。

 9本目と10本目では、設計値どおりの8.5m/sが出ていたようです(機速計が正しい値を示しておらず、目視での判断)

 10本目の結果、フライトを続行することはできなかったため、予定より少し早めでしたが6:35に解体を開始しました。解体自体は特に問題なく終わり、7:40に積み込みを終え、7:50には滑走路から撤収しました。

 組み立てに多少時間がかかったり、迎角設定を試験飛行前に行っていなかったりと多少手際の悪さが目立ったTFでしたが、最後の2本で浮いて挙動を見れたことは大きな成果でした。

 9本目と10本目の様子から、次回はエレベータトリムを0に戻し、主翼を前に7mm出した状態から試験を行うことにします。

 試験飛行の動画は、[[http://www.youtube.com/user/10Ftec#grid/user/0EB509A9E9D7912D]]にアップしてあります。

2011年度第9回試験飛行報告(07.17)

先週末に行いました、第9回試験飛行について簡単に報告します。(ログとかなくてすみません。大会直前であわただしいので、ね・・・)

風も弱く、快晴という絶好のコンディションで試験飛行を行うことができました。

フライトの記録
  • 1・2・3本目:短距離飛行

前回までと同様、きれいに水平飛行できました。若干浮きにくいという声もありましたが、翼についた水滴をふき取ることと、パイロットの回転数調整により対処できました。

  • 4本目:短距離・エルロン試験

横風のない中でエルロンを切った時の挙動が見たいということで、エルロンのみを切りました。風はほぼ正対、0.5m。結果としては、効いている様子はなく、着地しました。

  • 5本目:短距離・エルロン試験

風は同条件。今度はエルロンとラダ―を同時に左に切り、挙動を見ました。

入れてから2秒後くらいからはっきりとバンクがつき、左に曲がることが確認できました。その後滑走路中心に戻るために右にエルロンとラダ―を切りましたが、そこでもバンクが大きくついていくことが確認できました。

結果としては、エルロン単独ではなく、ラダ―と連携させての操舵により、旋回半径を小さくすることが可能なようです。琵琶湖本番でも、(当日の気象条件にもよりますが)そのような操舵になると思います。

ここで、最終TFということで、飛びきりを目指した長距離飛行を行うことに。

  • 6本目:長距離飛行

しかし、進路が左にそれたまま回復せず、東海大学さんの機体の横をかすめ、さらに東海大学さんのトラックの上を飛び越し、ようやくストップするという結果になってしまいました。

原因としては、滑走中の振動による接触不良で、操舵系統が断線してしまい、全ての舵が全く効かない状態になってしまったものと推測されます(発進直前の操舵試験では、舵は正常に動作していました)。追走者がそのことに気付いたのはトラックにかなり迫った時点で、そこで止めるわけにはいかず、高度を上げてトラックの上を超えるという判断になってしまいました。

これまでの試験飛行ではこのような事象は全く出ていなかったにもかかわらず、今回このような結果を招いてしまったのは、フライトの本数が伸びていき、各パーツに疲労が蓄積していたことが原因としてあげられます。実際、ここまでで総フライト数は77で、これほどの本数を飛ばすことによる各パーツの疲労に関するデータは過年度の試験飛行からは得られていませんでした。

この危険フライトから得られた反省を重く受け止め、大会には考えうるすべてのトラブルの可能性を排除して臨む(とくに、劣化している可能性のあるパーツは全て予備のものに付け替え、動作確認をします)とともに、来年度以降への教訓としたいと思います。

貴重な時間を割いて滑走路を空けていただいたにも関わらず、多大なご心配、ご迷惑をおかけした東海大学さん、ドボン会さんをはじめ、関係者の皆様方には本当に申し訳ありませんでした。

最後に

11年度の試験飛行は今回をもって終了いたしました。 これまで現役メンバーの活動を支えてくださった全ての方々、ありがとうございました。

数多くの反省はありますが、結果としては、パイロットの経験も多く、いい結果を残すポテンシャルを持った機体を作り上げることができたと自負しています。

大会まで残り2週間を切りましたが、最後に最高のフライトができるよう、メンバー一同頑張ってまいります。 応援、よろしくお願いします。

動画

動画はここです。 http://www.youtube.com/user/10Ftec#grid/user/C557779CC1F6A113

2011年度第8回試験飛行報告(07.10)

日曜日に行いました、第8回試験飛行について報告いたします。

梅雨明け後ということもあり、天気には問題なく、2時に組み立てを開始し、3時40分には準備を完了。重心測定の後、若干横風の強い中4時半にフライトを開始しました。

フライトの記録
  • 1本目短距離飛行(2時の方向から1m):風で左に流されるも、ラダ―で回復し、着地。

横風が定常的に吹いている中での試験飛行は初ということで、偏流飛行の練習を意識しながらもう一本。

  • 2本目中距離飛行(2時の方向から1m):また左に流れるが、修正はできています。

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ログを見ると、ラダ―を入れての復帰操作がよくわかります。エレベータは飛行中ほとんど入っておらず、定 常で飛ぶことに問題はないようです。もう1本練習。

  • 3本目中距離飛行(2時の方向から2m):離陸後しばらく左に流れるが、進路を修正、しばらくまっすぐ飛び、再び流されたのちラダ―を入れて着地。

8-3

風が安定している間は偏流飛行できるようですが、風が変化したときへの対応は富士川滑空場の滑走路幅では復帰するのにぎりぎりなようです。左に流されてからラダ―を入れ、ヨーが触れてからバンクが戻り、進路を戻すのに時間にして8秒、飛距離にして70m弱を要しています。しかしながら、横風への応答とその中でのラダ―の効きは確認はできた形で、パイロットの経験値は確実に増していると感じます。

ここから、エルロン試験に移行。

  • 4本目中距離・エルロン試験(1時の方向から1~1.5m):離陸後すぐにエルロンを右に入れましたが、効きは確認できず、左に流されて草地に後輪を摺り、停止。

いくつか問題点のあったフライトでした。

①パイロットの起動忘れにより、ログ取得失敗

②草地の上で高度を下げ過ぎたことにより、後輪を枯れ草の塊に突入させてしまう

③操縦桿が故障し、着陸直前に操舵不能に

特に③について、すぐに問題点は判明したものの、その修正に一時間以上を要してしまいました。 その後、距離を短く取って操縦桿の動作を確認することに。

  • 5本目短距離飛行(3時の方向から1.5m):やはり左に流されるものの、ラダ―で修正。

8-5

ログを見ると、着地前に大きく高度があがっていることが分かります。これは最後に滑走路に復帰するために一度高度をとってからラダ―操作をしたもので、こうしたパイロットの現場判断は確実にうまくなっています。

操縦桿には問題なしということで、エルロン試験再開。

  • 6本目短距離・エルロン試験(3時の方向から1m):一度大きく滑走路を外れてから、なんとか復帰し着地。

8-6

非常に危険なフライトでした。ログや動画によると、

浮上後、しばらく左にエルロンを入れ続ける(事前の計画では右に入れるはずでしたが、スタメンの声をパイ ロットが勘違いし、左に入れてしまったようです)

→横風(とエルロンの効果?)で左に大きめにバンクがつき、進路左に

→(ここで異変を感じた設計がストップを叫ぶ)

→エルロン・ラダ―ともに右、同時に高度下げるが、このままでは草地でのランディングとなるため、再び上げる

→(このあたりで滑走路左端の低木に翼が接触しかける)

→ラダ―を入れ続け、右にバンクがついて急旋回

→滑走路に復帰して着地

という流れのようです。あの状況で機体に損傷がなかったのは幸運だったと思います。が、危険なフライトを防ぐための反省点としては、

①左右方向への指示者を設計に限定し、その他人員は不必要なことを叫ばない

②フライトプランは事前にパイロットと他のメンバーでコンセンサスを得ておく

ということがあげられると思います。 反省を踏まえ、もう一本同条件でフライト。

  • 7本目短距離・エルロン試験(3時の方向から1m):エルロンを右に入れるも左に流され、エルロンとラダ―を同時に右に入れることで復帰。

8-7

高度は3mを維持しています。今回は危険な状態になることなく復帰できましたが、やはり右からの横風がある状態でエルロンのみ入れたとしても、その効果よりは横風と上反角効果でバンクがつき、流される効果のほうが大きくなってしまうようでした。流された後にラダ―とエルロンを同時に入れた時には効果が少しは見られるようですが・・・

フライト後に駆動系に故障が見つかり、試験飛行はここで終了となりました。

大会3週間前の試験飛行でしたが、トラブルが多発してしまいました。できる限りの修正を施し、次回の最終試験飛行に臨みたいと思います。

動画

動画はこちらからどうぞ。 http://www.youtube.com/user/10Ftec#grid/user/155E7F141CE1F9CE

2011年度第7回試験飛行報告(07.03)

第7回試験飛行は、7月2日深夜から3日早朝にかけて行いました。

今回は、前回飛行時にエレベータに若干頼っていたこと、頭下げ気味の傾向があったことから、翼位置を5mm前にシフト。挙動を見るところからスタートしました。

組み立て開始時刻2時、3時半には準備が完了しました。OBさんからの助言もあり、「重心測定がどれほどの精度をもつものなのか、また、現在設定は計算上どう評価されるのか」を知るために飛行前に重心測定を行い、4時22分にフライトを開始しました。

フライトの記録
  • 1本目短距離(ほぼ無風):50m弱飛行。ラダ―操作との関連でエレベータがアップに切れていたため、頭上げ気味。

前回から話は出ていましたが、操縦管は1本で、横に倒すとラダ―、前に倒すとエレベータという割り振りになっているため、ラダ―を入れるときに意識しないうちにエレベータも切れてしまうこともあるようです。次回からは、エレベータの触れ角が微小な時には舵角をほぼ0にするように、仕様を変更する予定です。

パイロットに、エレベータを「意識的に」触らないよう指示し、もう1本。

  • 2本目短距離(ほぼ無風):100mほど飛行。左→右と進路が触れましたが、エレベータが入っていない間はきれいに水平が取れていたようです。

他チームの領域に突入することは絶対に避けねばならないということで、もう1本まっすぐに飛ばし、ストップのタイミングやグランドクルーの動きを確認することに。

  • 3本目短距離(無風):100mほど飛行。滞空中は滑走路中央を維持できていました。

ここで、まっすぐに飛ぶことに関しては問題ないということで、機体を滑走路に対して斜めにスタートさせ、ラダ―により進路を修正することで、進路変更(さらには旋回)の練習をすることに。

  • 4本目斜め発進(北の風0.5m/s):浮上せず。

スターティングメンバーの加速が足りず、進路も浮上前に修正されてしまったということで、もう1本。

  • 5本目斜め発進(北の風0.5m/s):浮上せず、滑走路端に近づいたためストップ。

加速はできていたように見えましたが、斜め発進では方向が分かりにくいため押しづらく、さらに助走距離も足りないという判定になりました。そのため、斜め発進ではなく、滑走路端から平行にスタート、ラダ―で進路を修正して滑走路中央を平行に飛ぶというS字飛行を行うことにしました。

  • 6本目S字飛行(無風):浮上後、右に機首を向けてから、ラダ―で修正。この際、誤ってエレベータをダウンに入れてしまったため、一度地面にタイヤを摺ってしまいました。再浮上後は特に問題なく、ラダ―で左に方向修正できています。
  • 7本目S字飛行(南の風0.5m/s):ラダ―でほぼ狙い通りの進路変更ができました。

7-7

一度右にバンクがついてから左にバンクが戻るまでの様子も分かり、かなりパイロットの練習になっていると思います。バンクが左右に振れる様子が観察でき、面白い挙動でした。

  • 8本目S字飛行(無風):進路に関しては問題なし。

エレベータを入れすぎて高度が急に上がり、スラストがそれに追いつけなかったために機速が下がり、高度ががくんと落ちています。ただし、エレベータでピッチを立て直した後は安定し、ラダ―での進路変更は問題なく行えました。

ラダ―で進路を制御することは問題なく行えるということで、今年初めて搭載したエルロンを切ってのS字飛行を行うことに。エルロンを動かすことはチームとしても初のことなので、慎重を期すために切れ角の設定は1deg(設計上は3deg)。パイロットにはインパルス的に何度か右に切るように指示。

  • 9本目S字飛行(10時の方向から微風):ロールが右に傾く様子はなく、ヨー方向左にそれてストップ。

若干の横風があったので、風見安定の効果で左にそれたものと思われます。動画では、ヨーが触れてから左にロールがつく様子が分かります。いずれにせよエルロンの効果は認められなかったため、切り方を変え、数秒間断続的に右に切るように指示。

  • 10本目S字飛行(向かい風1.0m/s):エルロン入力後、ヨーが左に触れ、ロールも左に傾いてストップ。

7-10

完全に入れた方向とは逆向きに舵が効いています。今回は横風はなかったことから、アドバースヨーの可能性が疑われました。これを回避するために上げと下げの舵角を変更することも考えられますが、今回は残り時間も少なかったことから、まずは単純に舵角を大きくすることに。上げ・下げとも2degに変更。

  • 11本目S字飛行(若干左から横風):離陸前後、左右にふらつきましたが、ラダ―で修正。エルロン入力後、右に大きくそれたため、急きょ左にエルロンを切るとともにラダ―も左に切り、修正。ストップ前にヨー方向左に大きく回りましたが、なんとか停止。

7-11このあたりから若干高度計の値がおかしいですね

目視で、若干ロールが傾いていくことは確認できました。着地前に左に切った時は、エルロンとラダ―を同時に入力しているため、大きく傾いているようにも見えます。10本目で確認されたアドバースヨーの効果は、エルロンとラダ―の同時入力によりかなり打ち消せているとも考えられ、今後、さらにデータを集め、旋回時の操舵についての戦略をたてる必要があります。

ここで、同時にTFを行っていたWASAさんが飛びきりをされるということで、僕たちもそのあとに続き飛びきり試験を行うことにしました。滑走路北端からスタートし、(人数配置の都合上)600m先にストップラインを設定し、パイロットにはできる限りまっすぐ飛び続けるよう指示しました。

  • 12本目飛びきり(9時の方向から微風):離陸後、横風に流されて滑走路左端に寄りましたが、ラダ―操作により復帰、ストップラインまで飛びきることができました。飛距離約600m、滞空時間は80秒ほどでした。

7-12高度計の値の発散については気にしないでください。

ログによれば、パイロットが終始85rpmを維持し、ほとんどエレベータをいれっぱなしにしていることが分かります。彼によれば、「初めての飛びきりだったので力をセーブしようと思って楽にこいでいた」とのことです。90rpm維持なら可能だろうとのことでした。

大会において、風のない安定状態ならほぼ間違いなく500m先のターンマークまでは到達できることが確認できたことになります。あとは旋回、復路で回転数を維持する体力、着水が懸念されます(今年度大会からルール変更でスタートライン通過から「着水」までのタイムが計測されることになりました)。

大会まで残り1カ月を切りました。安全面には最大限の配慮をしつつ、少しでも多くの本数をこなし、上記にあるような事項を確認しながら大会に向けた準備をしていきたいと思います。

今回も、たくさんのOBOGの皆様にご協力いただきまして、ありがとうございました。あと少しになりましたが、今後ともよろしくお願いします。

動画

これが動画です。http://www.youtube.com/user/10Ftec#grid/user/E58C73283A48576C

2011年度第6回試験飛行報告(06.26)

2011年度第6回試験飛行報告(06.26)

天気が崩れることが心配されており、解体時に突然本降りの雨が降りましたが、とくにトラブルはありませんでした。

人身事故の影響で、電車組が新幹線で小田原から新富士駅まで移動といったトラブルもありましたが、大勢に影響はなく、2時に組み立て開始、日の出直前の4時20分ごろから飛行を開始しました。

前回と同じ設定で、中距離飛行からスタートです。

フライトの記録
  • 1本目(わずかな向かい風):100m弱飛行。

6-1

エレベータアップで浮上、右にラダ―を切る際にエレベータを入れていったん大きく浮上していることが分かります。前回問題となったロール方向への傾きは見られませんでした。飛行姿勢に問題はなかったのですが、フライト中エレベータが切れた状態で水平飛行しているように見えることから(ペラ回転が90代前半と小さめなこともありますが)、エレベータトリムを0.5degアップに。

  • 2本目(向かい風0.5m/s):進路が左に傾き、ラダ―で修正するためにいったんエレベータを入れて浮上、進路を戻してから着地。

エレベータアップの前にストップがかかっていたため、すぐに回転数を下げ、着地になりました。定常飛行出来ていないため、もう一本。

  • 3本目(わずかな向かい風):やはり進路修正の際にジャンプするも、定常飛行には至らず。

回転数は92~93rpmです。スラストが足りないと判断し、パイロットにもう少し回すよう指示してもう一本。

  • 4本目(同上):浮上に至らず。滑走中、次第にロール方向左に傾いていったためストップ。

ロール方向の傾きについては、前回のようにスタート後すぐ傾いていくような性質のものではなかった為、問題視せず。やはり回転数が92程度のため、スラスト不足と見てもう一本。

  • 5本目(ほぼ無風):やはり浮上せず。

現状パイロットの推力では定常飛行ができないと判断し、迎角を0.2deg上げることに。

  • 6本目(2時の方向から0.5m/s):頭下げ気味になりながら滑走し、ストップ。

ここまでにも疑念は出ていましたが、座面を改造したことで、重心位置が若干ずれてしまったようです。そのため、前回とは異なる挙動になったという判断に至りました。そのため、翼胴接合をやり直し、翼位置を6mm前にシフト。

  • 7本目(無風):やはり頭下げで滑走。進路修正でジャンプするも、定常飛行には至らず。

ジャンプ時にはストップがかかっていたため、回転数が下がっています。頭下げ気味な傾向を改善するため、エレベータトリムを1degアップに。

  • 8本目(向かい風0.5m/s):200mほど飛行。

6-8

動画とログを見るに、エレベータアップで浮上した後、定常飛行できています。ラダーを切るときには高度が下がるため、エレベータをアップにしていますが、その関係もあり、エレベータはかなりの時間切られています。高度は比較的維持できているので、パイロットが慣れてきたと言えるのではないでしょうか。最後で再浮上しているのは、滑走路を横切る白線上にランディングするのをパイロットがさけたためです。

ようやくある程度ちゃんとした飛行ができたため、距離を伸ばしました。ここから長距離飛行です。

  • 9本目(同上):250m弱飛行。滞空時間は30秒くらい。

6-9

ズルズルと高度が下がり、エレベータと回転数を上げる動作を2回ほど繰り返しています。回転数96rpm程で浮上の後、90rpmあたりで維持しているのも、完全に高度が維持できているわけではないことの一因かもしれません。が、進路制御が問題なく出来ているので、そのまま長距離飛行を続けました。

  • 10本目(わずかに背風):浮上せず。

背風はわずかであり、滑走路端まで機体を押していくのも手間ということでチャレンジしましたが少々無理があったようです。OBさんにも指摘されましたが、安易な判断だったかもしれません。

  • 11本目(向かい風0.5m/s):400m弱飛行。滞空時間は50秒くらい。

6-11

エレベーターを時々操作しながら、今回は比較的きれいに高度が維持できています。

時間的にこのフライトがラストとなりました。ようやく安定して距離を伸ばすことができたことにほっとしています。

ただ、エレベータ頼みの傾向もあり、もう少し翼位置をまえにズラしてもいいのかもしれません。まだ全く試験していないエルロンの性能を確認したいということもあり、残り時間との相談になるのでしょうか・・・。

動画

こちらが動画になります。http://www.youtube.com/user/10Ftec#grid/user/ACDE08CEA4499DEE

2011年度第5回試験飛行報告(06.19)

昼間はスーパー銭湯で休憩し、24時半ごろ、滑空場へ移動完了。ただし、この時点で雨が降って いたため、また橋の下で待機、回復を待ちました。

2時過ぎから雨脚が弱まったため、3時から組み立て開始、今回も1時間半で準備完了しました。フライト開始時刻は4時45分。

前日と同じ理由から、短距離試験からのスタートです。ほぼ無風。

フライトの記録
  • 1本目:若干ピッチングしながらも、50mほど飛行。

5-1

ラダ―による進路修正は問題ないようです。エレベータをアップに入れて浮上しているので、その 後も2回ほどピッチングしていますが、収束に向かっているようでした。 もう一本同条件で、様子見。

  • 2本目:100m弱飛行。スタート後、若干ロール左に傾き、進路が左に触れましたが、ラダ―で修正。

5-2

ログを見ると、パイロットがエレベータとラダ―を激しく操作していることが分かります。今回は、 エレベータを入れて浮上後、ピッチと高度の安定を保って飛行できています。

ストップがかかった後、エレベータをアップに切ってフレアをかけようとしていますが、タイミングが早かったため、その後数秒滑空しています。

縦の挙動に問題なしとして、距離を延ばして本数をこなし、パイロットの習熟を目指すことにしました。以降、中距離試験です。

  • 3本目:100m強飛行。またロール左に傾き、左に横滑りしながら浮上。

5-3

滑走路わきに近づいたため、ストップがかかり、パイロットがエレベータを切って再び浮上させてか らラダ―で進路を修正しています。結果として、ほぼフライト全般でエレベータを切っており、高度 は安定していません。進路修正はできているのですが、エレベータ頼みの浮上は高度とピッチを安定 させるのに困難が伴いやすいため、以降、エレベータを切らずに浮上するよう指示。

と、ここで、翼胴接合がロール方向左にずれていることが判明。 着陸時に左翼が地面にするのを阻止するために後部支柱を引っ張ったことが原因と考えられますが、 特定はできません。飛行時には動かないはずですが、常に右翼が上がりやすい傾向があることもあり、 翼胴接合を修正。

これにかなりの時間を要してしまいました…

若干雨が降ってきましたが、問題にならない程度と考え、もう一本。

  • 4本目:スタート直後からロール方向左に傾き、ストップ。草地に突っ込み停止。

危険なフライトでした。浮上していないため進路修正もできず、ストップはもっと早めにかけるべき でした。幸い機体に問題はなし。スターティングメンバーのミスと考えてもう一本。

  • 5本目:やはりロール左に傾き、浮上せずに停止。

ここで、右内翼の取り付けが不調で、リブが曲がってしまっているのではないかとの指摘が。これに より右だけ揚力が上がってしまっているのかもしれないと考え、接合し直して修正。 この対処にも時間を要しました。

  • 6本目:滑走路中央の白線上を滑走したため、機速が出ず、浮上せずにストップ。

ロールが傾く問題は解消されたように思えます。しかし、またも翼胴接合がロール方向左にずれてい ることが発覚。残り時間的に修正する余裕がないため、ここで撤収となりました。

天候にも悩まされましたが、それ以上に、トラブルが多発した試験飛行でした。 なぜ今回だけロール方向の傾きが大きくなってしまったのか、翼胴接合がずれてしまったのか、原因 を究明し、解決策を持って次回TFに向かわねばなりません。

また、結局エレベータを切らずに浮上することは難しいようです(翼の状態など、コンディションに もよりますが)。そのため、以降はエレベータでの浮上を取り入れていくべきかもしれません。

梅雨時でもあり、残り回数も少なくなってきました。一本でも多くのフライトをこなし、万全の状態 で大会に挑みたいと思います。

動画

動画はこちらです。 http://www.youtube.com/user/10Ftec#grid/user/41B94F183F2AE84B